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政府がマイルやポイントをマイナンバーカードに合算しようとする目的は何か?

【目次】

「マイルやポイント、マイナンバーカードに合算へ」というYOMIURI ONLINEの記事

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2017年5月7日16時39分にYOMIURI ONLINEに「マイルやポイント、マイナンバーカードに合算へ」という記事が投稿されました。下記が登録無しで読める318文字です。

政府は9月にも、航空会社のマイルなど民間企業の各種ポイントをマイナンバー(共通番号)カードに合算できるサービスを開始する。

集約したポイントは全国の特産品や公共施設の利用料などと交換することができる。政府は新サービスを、交付枚数が伸び悩むマイナンバーカードの普及や、地域振興につなげたい考えだ。

クレジットカードや携帯電話、航空会社が発行するポイントは、年間4000億円を超すとされるが、未使用分は約3割に達するとの推計もある。新サービスにより、企業ごとだったポイントは「自治体ポイント」として合算されるため、マイナンバーカードを所管する総務省は「消費者の利便性が増してポイントの利用が進み、経済活性化の効果も期待できる」としている。

マイルやポイント、マイナンバーカードに合算へ : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

記事本文は残り564文字あるそうですが,非公開部分を引用するわけにはいきませんので,この318文字分について,(この記事にどの程度の信憑性があるのかはわかりませんが)陸マイラーやポイントサイト活動にどのように関係があるのか考察してみたいと思います。

 

「検討している」ではなく「開始する」という断定調

まず,この第一段落からして不可解です。

 政府は9月にも、航空会社のマイルなど民間企業の各種ポイントをマイナンバー(共通番号)カードに合算できるサービスを開始する。

「検討する/している」ではなく,いきなり「政府は9月にも~開始する」と断定調になっています。行政機関というところは,税金の無駄遣いと言われながらも,多種多方面の「検討」をする機関なので,「検討する/している」であれば,そんなに驚きはしません。

しかし,ここでは「 政府は9月にも~開始する」と断定調で語られています。これはどの程度の裏が取れている情報なのかな?と思います。

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上記は2017年5月7日21時30分時点の「マイル ポイント マイナンバーカード」の検索結果です。NEWSポストセブン,Yahoo!,Infoseek,ニフティの順ですが,本文を見てみると,いずれもYOMIURI ONLINEからの引用です。

となると,他のマスコミ媒体は一切配信していないということであり,YOMIURI ONLINEの単独報道ということになります。

行政機関は「情報の一人歩き」を何よりも恐れる傾向にありますので,この手の情報公開は慎重にします。2017年5月7日21時30分現在,政府広報オンラインのサイト内検索結果には「マイル ポイント マイナンバーカード」はありません。

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これをどう解釈するのかは,情報の受け手次第です。

 

マイナンバーカードの救済策?

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続いて第二段落の検討をしたいと思います。

集約したポイントは全国の特産品や公共施設の利用料などと交換することができる。政府は新サービスを、交付枚数が伸び悩むマイナンバーカードの普及や、地域振興につなげたい考えだ。

「集約したポイントは全国の特産品や公共施設の利用料などと交換」の部分で疑問なのは,ポイントの価値の違いをどう扱うのかという点です。すべてのポイントが,1ポイント=1円であれば,多少は問題も簡単になる(それでも用途や期間限定などポイントの価値は多様)のですが,政府がこれらのポイント換算を完全に網羅したシステムを作るつもりなのでしょうか。世にあるポイントの種類を考えると現実的ではありません。

とりわけ,マイルに関しては,1マイル=3円~10円という価値を感じて収集している人々(陸マイラー/空マイラー)もいますので,政府に勝手にポイント価値を換算されては困りますよ!という感じです。

そして,なんといっても違和感があるのが,「マイルやポイント、マイナンバーカードに合算へ」の目的が,「交付枚数が伸び悩むマイナンバーカードの普及や、地域振興につなげたい」としていることです。

マイナンバーカードの発行のいざこざは,多くの国民も体験したところで,確かにいろいろな問題があります。しかし,それはそれです。ほとんどが民間企業が所管するマイルやポイントを,マイナンバーカードの救済策にするということに,国民が納得すると思っているのでしょうか?本気でそう考えている官僚がいるなら,首をかしげるしかありません。この問題の発生源は,政府か?YOMIURI ONLINEか?

 

「自治体ポイント」?消費者の利便性?

続いて第三段落を検討します。

クレジットカードや携帯電話、航空会社が発行するポイントは、年間4000億円を超すとされるが、未使用分は約3割に達するとの推計もある。新サービスにより、企業ごとだったポイントは「自治体ポイント」として合算されるため、マイナンバーカードを所管する総務省は「消費者の利便性が増してポイントの利用が進み、経済活性化の効果も期待できる」としている。

確かにポイント市場は年々拡大しているというのは確かです。

ポイントサービス市場に関する調査を実施(2016年) - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

上記の矢野経済研究所の「ポイントサービス市場に関する調査」では,「2015年度のポイントサービス市場規模は 1兆4,440億円まで拡大」という結果が出ており,「2020年度のポイントサービス市場規模は2兆300億円まで拡大と予測」しています。

この時点で,YOMIURI ONLINEの記事の「年間400億円」という数字が,矢野経済研究所の「年間1兆4,440億円」と大きく乖離しているのが気になります。もちろん,民間の株式会社である矢野経済研究所が正しいとは限らないかもしれませんが,少なくとも上記リンクのように,調査要綱と調査結果を記名で挙げている以上,信頼できる情報な気がします。このように,数字面でもあやしい部分が,YOMIURI ONLINEの記事にはあります。

そして,「自治体ポイント」という名称が,きわめてダサ…いやしっくりこないという問題はさておき,本記事で総務省が「消費者の利便性が増してポイントの利用が進み、経済活性化の効果」を期待するには,その出口=使い道がきわめて重要なのですが,これについては,上記の引用部分からはわかりません。

困っていたところ,下記の記事を発見しました。

上記の記事で示されている「総務省|個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会」の「第一回 自治体ポイント管理クラウド等仕様検討会議」の12ページ目に下記の図があります。

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商店街!やっぱり商店街ですか。民間企業の競争に敗れた商店街の救済策なんですか。もちろん,地域の商店街の活性化というのは,地域振興の大きな柱だというのはわかってます。しかし,政府が私たちの血と汗と涙の結晶であるマイルやポイントの用途を商店街に限るというのであれば…がふっ…(もちろん上記の図はあくまで素案であり,用途を商店街に限ると決まったわけではありません)。

このように,政府が介入して「(地域の)経済活性化」という流れで,商店街での使用という使い道を強制するのは,本当に消費者は納得するのでしょうか。

 

何よりも気になるのは「義務化」と「マイル/ポイントの課税」

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とはいえ,ここまでの話は「政府が勝手なサービスを始めたとしても無視していればいいじゃん」というレベルです。しかし,民間と違って政府ができる手段として「義務化」があります。マイルやポイントへの課税はグレーゾーンと一般に言われており,(意識的にも無意識的にも)納税をしていない人も多いというのは,政府はマークしてると思われます。

もちろん,政府とはいえ民間企業にマイルやポイントをマイナンバーカードへ合算強制をするというのは,民事介入に当たりますので,そう簡単にはできないとは思います。しかし,「マイル/ポイントへの課税の徹底」という点を持ち出されるとどうでしょうか。

企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について|論叢|税務大学校|国税庁

上記は国税庁の税務大学校の一記事です。本記事はあくまで税務大学校研究部の研究論叢という位置づけで,国や政府の公式見解ではありませんが,ある種の権威はあると思います。

本論文の結論として,まず下記のような記述があります。

ポイントの法律関係は、少なくともポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を、対価を支払うことなく請求できる権利が付与されたものであると捉えることが適当であり、課税されるべき経済的利益にあたる。

ドキッとするところです。本論文のポイントの定義(企業が提供するポイントプログラム)では,マイルもポイントの一種ですので,マイルも上記に当てはまります。

さらに,次のような記述もあります。

停止条件付贈与契約であるので、停止条件の成就、すなわち、ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となると考えられる。

「停止条件付贈与契約」の詳細は,上記の論文を読んでいただきたいのですが,簡単に言えば,マイルやポイントは使用者が持っているうちは,贈与契約が保留されている=効力停止中ということで,課税対象にならないということみたいです。

そして,もしこの論文の議論が正しければ,今回の「マイルやポイント、マイナンバーカードに合算へ」が義務化されると,マイルやポイントの使用時の課税を国税庁が一律に把握できるということになることになります。

もし,YOMIURI ONLINEの記事が事実であるとするならば,ここが最大のポイントだと思います。課税,水も漏らさず。

 

まとめ

今回,検討してみて,正直,YOMIURI ONLINEの318文字の記事は「本当に信頼できるの?」と一市民としては首をひねる内容でした。

とはいえ,矢野経済研究所のレポートにもあるように,マイルやポイント市場は年々拡大の一途をたどっており,課税という点では,政府の大きな関心事になっている可能性はあります

マイルやポイントを有効に活用する人々にとっては,これらの情報に敏感になっておくに越したことはありません。その意味では,今回のYOMIURI ONLIEの記事の信頼性がどうあれ,こうした問題について考える良いきっかけになったと思います。みなさまはどう思われましたか?

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